社員ブログ

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就活生のみなさんへ

若い人たちの働き方に対する意識が変わってきたと言われています。
つまり昔のようにガンガン働いてじゃんじゃん稼ぐというよりも、
私生活とのバランスを考えた、ワーク・ライフ・バランスを重視する人たちが増えているようです。
昔のようにはじゃんじゃん稼げないんじゃないか......
いや、昔だってそんなに生活が豊かだったわけではないのかも、
でも可処分所得は減っているらしいよなぁ、という世知辛さを感じつつも、おおむね同じ傾向を感じています。

これからどうやって生きていくのか?
どういう自分になりたいのか?

その一つとして、私は、『犬ビリティ』という独自の指標を提唱したいと思います。
『犬ビリティ』というのは、
「どれだけ大きな犬が飼えるか」
という心のゆとりを犬に換算した、私独自の指標です。

それというのも、私は採用試験の役員面接で、
「2年後か5年後か10年後の自分はどうしているか」
と聞かれました。

私は思いました。
ははーん、間違いなくこれはキャリアについて聞かれている、と思いました。
自分のスキルを、どう割り振って、どういう目標に向かっていくのか、という......。

とはいえですね、当時はまだCとC++とC#の違いも分かっていなかったので、
ちょっと返答に迷いまして、答えたわけです。

「大きな犬を飼っているはずである」と。

なんであんなことを言ったんだろう。
大きな犬は欲しいけど、「あればうれしい」くらいで本気で飼うつもりはありませんでした。
なぜかそのくらいは当然、手に入ると思っていた。

現実的に考えたら、札幌ででかい犬を飼うのはとっても難しいことです。
持ち家じゃないとまず無理である......、
みたいなことすら、知らなかったわけです。

真面目に考えてみたら、かなり生活をそれにささげたりしたら......、
できなくはなさそうではあります。

郊外に引っ越して、たぶんだいぶギリギリになるけど、
全力を費やしたら、いけるんじゃないか?

でも、そんな状態で犬を飼うのは、お互いのためにならないことでしょう。

それじゃあ、後悔しているかっていうと、そんなことはないんですね。

私は、本気で犬が欲しかったわけではなく、
立派な大人になれば犬一つ飼えないわけがないと思っていたのです。
(この機微を伝えるのは難しいと思いますが......)

でかい犬を、飼おうと思えば飼えるという気持ち。

成人一人分くらいのエサ代稼いで、朝夜毎日散歩して......。
でかい犬を飼ってなお成り立つ生活サイクル。 この自信のことを『犬ビリティ』として、
生活の指標にしています。

私の中でこの架空の犬はパラメーターになっておりまして、
すごく調子の良いとき、「犬、飼えるな......」って思って良いときはシベリアンハスキーになって、
調子が悪いと「だめだ、小型犬くらいしか飼えない」って思って、
もっと疲れてるときは「私は生き物を飼ってはいけない」と思います。

これはお給料だけではなくて、生活サイクル、やる気、リモートワークのしやすさ、精神状態、
ありとあらゆる要素が複雑に絡んでいて、そのあたりを犬で換算するわけです。

みなさんの心の中には、犬が何匹いますか。
あるいは、お子さんが何人いてとか、車何台なら維持できるな、とか
たぶん、そういうものだと思うんですが
私の単位は、犬になるわけです。

北海道電子機器で5年働いて、得たものは、
「そろそろ架空の犬が飼えるなあ」
という気持ちです。
これは学生の時は無理だったけど、飼える大人になる予定でした。
その点では、まあまあ満たされているといえます。

これからの人生においては、
この心の中の犬を元気に、大切に、死なせないように、
みたいなことを指針に生きていく予定です。

就活生のみなさんにも、ぜひ『犬ビリティ』を高めていってほしいと思います。

犬でもトカゲでもエミューでもなんでもいいんですが、
とにかく自分の中の大切なものを大切にできるところに身をおけたらいいかなと思います。

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というような内容を(会社の人に向けた)5年勤続表彰時のスピーチ用に原稿を用意して臨んだのですが、
スピーチを行う予定の会議に思いっきり遅刻しました。
その節は誠に申し訳ありませんでした。

札幌には「TKP札幌駅カンファレンスセンター」と「TKP札幌カンファレンスセンター」が存在します。

思いっきり間違った方に行き、なおかつ、スマートフォンを忘れて連絡を取ることもできず、
駅員さんに慈悲を請い、清掃員さんに泣きつき、
最後にはセンターの人に頼んで会場にたどり着くことができました。

途中で何度も自分の生年月日から年齢を数えては、
どう計算しても良い年の大人である事実に、本当だったら社会人5年目のスピーチをする予定だったんだよな、
と考えていました(スピーチはしました)。
「スマートフォンを忘れたけれども、会場の場所はわかっているからとりあえず向かおう」と思って、
いざ会場にたどり着いたら、知らない水産会社の名前しかなかったのを見たときは、
いっそ、何もかも投げ出して鉄道の切符を買って稚内に流氷を見に行こうかとすら
思いました(しませんでした)。

就活生のみなさん、世の中の人はとても親切です。

「スマートフォンも忘れました......」という私に、
駅員さんは「......もう少しヒントを......」と該当しそうな場所をタブレットで調べ、
地図に丸を付けてくれました。
モップで床を磨いていた清掃員さんは、私のために仕事の手を止め、
私が急いでいることを察したのか、どこを抜けたら早いかを教えてくれました。
カンファレンスセンターの人は
「北海道電子機器はどこですか......?そもそも存在するんですか......?」と尋ねる私を、
丁寧に会議室の前まで案内してくれました。

そんな私も、社会人5年目です。

就活生のみなさん。
社会人になって5年が経つと、
社会人5年目になります。

社会人には、なれます。

そして、札幌には「TKP札幌駅カンファレンスセンター」と「TKP札幌カンファレンスセンター」が存在します(2022年11月28日調べ)。

Written by Y氏

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