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システムの具体例

斜里町オシンコシンの滝 傾斜変位計測システム

システム寄贈の経緯

斜里町オシンコシンの滝には、観光用のお土産物店と駐車場があります。

その上に旧国道を含む落石や土砂崩れがいつ起きるかわからない危険な斜面があり、地盤の変化を観測したいとの相談がありました。国内3番目の「世界自然遺産知床」を管理する斜里町に「何か貢献することはできないか」と社内で検討していました。

ちょうど弊社の創立30周年の節目の年でもあったので、土砂崩れなどの地盤変化を定点観測する「オシンコシンの滝 傾斜変位計測システム」を斜里町に寄贈することにしました。

システムの概要

本システムは、現地観測孔に取り付けた傾斜計(6点12成分)の信号を、弊社製品であるデータロガー(Hi・Per)で1時間毎に計測します。
データロガー(Hi・Per)で計測されたデータは、いったんデータロガー内のメモリに保存された後、データ収録監視装置(パソコン)の傾斜変位計測プログラムで取り込み、斜里町役場に設置のデータ受信処理装置(パソコン)に送信されます。
各パソコンでは、データロガー(Hi・Per)で計測されたデータを帳票・経時変化図で見ることができます。
帳票・経時変化図で傾斜変位の変動を監視し、防災情報の判断を行う材料とします。

斜里町オシンコシンの滝 傾斜変位計測システム図

斜里町オシンコシンの滝  傾斜変位計測システム図
斜里町オシンコシンの滝 傾斜変位計測システム(PDF:約31.1KB)

データロガー(Hi・Per)製品情報へ

設置現場の紹介
現地観測局舎 ボーリングマシン 観測孔
観測孔 傾斜計据付 傾斜計据付
グラウト注入 データロガー据付 システム据付完了

運用実績

納品から現在までの間には、雷による電話回線の障害や通信用モデムの故障、山奥での土砂崩れによる送電線破損による長期間の停電、2012年12月には季節外れの大雨による観測室への浸水など予想を超える自然災害による影響を受けてきました。

2013年4月にデータが取得できないことを知り現地に向かったところ、2012年12月の大雨による浸水では、床に設置していた電源盤が水没し交換せざるを得ない状況になっていました。
また、長期間電源供給を断たれたことから、無停電電源装置のバックアップ運転も停止しており観測が継続できない状況となっていました。
これを受けて、電源盤を再製作し設置場所を床から棚板の上へと移動しました。
また、万が一の長期停電が起きた場合でも傾斜変位計の観測は継続(約3ヶ月間)できるようにデータロガー(Hi・Per)に別系統でバッテリを接続しました。
電源が復旧した時には、データ収録監視装置からデータロガー(Hi・Per)に溜まったデータを自動で回収し、データ受信処理装置にデータ伝送することが可能となりました。

今まで培ってきた知識と経験を活かし、今回の事象から学び先に向けた対応をしていくことができたと思います。

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