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計測とは

計測とは、一般的に、世の中に存在する物理現象をデータ化し、利用できるようにすることを言います。

現在の工業的・科学的分野では、計測したデータを更に容易に処理できるようにコンピュータで利用できる形で計測するのが一般的になっています。計測する対象として、自然現象、人工的な現象にかかわらず、様々な量が存在します。

計測には、温度・湿度のように身近なものから、電圧、周波数、回転数、力、変位、加速度等専門的なものまで種類はさまざまで、その物理現象によって、急激に変化するものと、長い時間を掛けて変化するものがあります。それによって計測の方法も、高速に大量の計測をする必要があるものから、一定間隔で時々計測するだけで充分なものもあります。

計測を行う場合には、これらの物理現象の特徴に合わせて、計測の方法を工夫する必要があります。計測装置とコンピュータを組み合わせた計測システムの場合、一般的に次のような手順で計測を行います。

(1)計測対象に合わせたセンサで計測

センサとは、物理的な現象を電気信号に変えるものです。温度には温度センサ、ひずみにはひずみセンサと、計測対象毎に専用のセンサがあります。この時点では、信号はアナログ値です。

(2)センサからの微弱な電気信号を一定量の電圧に変換(アンプ)

様々な種類の信号を一括して扱うために、センサ毎に対応したアンプを用いて、電圧信号に変換します。この信号もアナログ値です。

(3)電圧値をデジタル値に変換(A/Dコンバータ)

A/Dコンバータとは、たとえば±10Vの電圧データを±10000の値に変換するような装置です。この例だと、電圧が5Vなら5000、-2Vなら-2000になります。このA/Dコンバータを用いて、電圧値を数値データに変換します。これではじめてコンピュータで扱えるデジタルデータとなります。

(4)デジタルデータを計測対象の物理データに変換

パソコン等で、電圧に対応した数値データから、ここまで変換してきた過程を逆にたどる計算を行い、おおもとの物理現象のデータに変換します。

  • 数値データ→電圧データに変換(数値データが3000なら電圧は3Vのはず、など)
  • 電圧データを、アンプの増幅率の逆算をしてセンサデータ(電気信号量)に変換(アンプの増幅率が10000倍なら、センサデータは0.3mVのはず、など)
  • センサの特性から、センサデータを物理現象のデータに変換

実際には、計測した時の条件による補正が必要になったり、求める精度に応じたA/Dコンバータの解像度を決めるなど、更に考慮すべきことがありますが、これらの処理をおこなってはじめて、ふだん目にする各種の物理現象データが計測できるのです。

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