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文系から見たソフトウェア開発(1)

実学的な響きを重んじる風潮あってか、私の出身大学の学部は、
いつのまにか「人文学部」から「人文社会科学部」へと名前を変えてしまいました。
卒業生としては、少し寂しいところです。

やはり、世間からの文系への風当たりは厳しいのでしょうか。
ひょっとして、文系というのは、何やらよく分からないことをやって毎日遊んでばかりいると
思われているのではないだろうか......。

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さて、今回は、
『文系出身者がソフトウェア開発をすることについて、どう思っているか』
というテーマを頂きました。

この業界に入って1年と少しばかり、まったくもって狭い範囲の経験からですが、
私が思うところをお話ししようと思います。

試しに「文系 IT業界」という言葉を、インターネット上で検索してみると、
「文理不問、未経験者歓迎」ですとか、
「文系にこそおすすめしたい」ですとか、
いろいろなワードがヒットしますね。

私としては、ソフトウェア開発のお仕事をやる上で、「文系/理系」という区分での違いは
あまり感じていないというのが正直なところです。
そもそも、学問の「文系/理系」という区分なんてものは非常に曖昧なものですからね!
しいて言えば、「情報系/その他の出身」というところで経験の差を感じることはありますが、
それ以外のところでは、特に大きな差はないんじゃないでしょうか。

思うに、IT業界でいうところの「文系」というのは
「情報系の分野をさして履修していない人」くらいの意味なのではないでしょうか。
それは、「情報系の分野をさして履修していない理系」とあまり変わらないんじゃないか、
と私は思っています。

もちろん、理系の人たちは、文系の人たちよりも情報系の分野を履修する確率は高いでしょうが、
それにしたって確率の問題です。

しかも、IT業界と一口に言っても、様々な「分野」というのがあり、
営業からAndroidアプリの開発もあれば、ネットワーク関係のお仕事をするところもあり、
デバッグに特化したところもあれば、弊社のように組み込みソフトウェアに強い会社もあるわけで......。

大学のころから量子コンピューター理論を専攻していて、将来はその分野に就きたい、
なんて思いながら、ひたすらそれに邁進してきたような人は別だと思うのですが(たまにそういう人もいる)、
「文系/理系」はたまた「情報系の出身ではない」というのは、今までに通ってきた分野が似ているか否か、
くらいのことなのではないでしょうか。

文系であっても、理系であっても、情報系であっても、
自分が専攻している分野と社会人になってからする仕事内容がかぶることはとても稀です。
というわけで、私は文系、理系の枠にとらわれず、
様々なジャンルのお仕事から自分の強みを探してみるのが良いのではないかなあと思っています。

例えば、今時、
「パソコンなんて持ってない、タブレットしか触ったことしかない」
なんて人もいるものですから、パソコンの基本的な操作ができるというだけでも、
この業界に「向いている」確率は高くなるでしょう。
なんたって2018年現在、IT業界では、たいていの場合パソコンを操作しますからね!

なんとまあくだらない話ですが、文系だから有利であるとか、文系だから不利であるとかそういうことよりも、
こういう事柄の方が因果関係がはっきりしているんじゃないでしょうか。

ともあれ、今時、あなたが文系であることは、IT業界を希望するうえで、
大きなハンデにはならないと思います。
詩的なコードを書きなぐったり、デバッガを説得しようとしない限りは。

Written by Y氏

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